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最高裁判所第二小法廷 昭和26年(オ)344号 判決

岡山県津山市二宮一一四六番地

上告人

津本実五郎

右訴訟代理人弁護士

柴田治

同市総社一二五七番地

被上告人

三谷清野

右当事者間の損害賠償請求事件につき広島高等裁判所岡山支部が昭和二六年三月二三日言渡した判決に対し、上告人から全部破棄を求める旨上告の申立があつたよつて当裁判所は上告人を審訊した上次のとおり判決する。

主文

本件上告を却下する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

本件につき広島高等裁判所岡山支部が昭和二六年三月二三日言渡した判決が同年同月二四日上告人に送達されたことは記録上明瞭である。ところが本件上告状が原裁判所に差出されたのは右送達の日から二週間の上告申立の期間を経過した後の昭和二六年四月二八日であるから本件上告は不適法としてこれを却下すべきものである。なお、上告代理人は、当裁判所の審訊に対し陳述書を提出しており、右陳述書記載の要旨は、上告人は原審における上告人の訴訟代理人からの通知によつて、原判決が同代理人に送達されたのは昭和二六年四月一四日であると信じていたものであるから、上告人は不変期間の懈怠につき過失はないというにあるが、右の事情は上告人の責に帰することのできない事由によつて不変期間を遵守することができなかつた場合とは認められない。

よつて民事訴訟法第三九六条第三八三条第九五条第八九条により主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見である。

(裁判長裁判官 霜山精一 裁判官 栗山茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 谷村唯一郎)

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